舞台には二人が座る椅子2脚だけ、背景は劇の途中で街角の絵が2回変わるのみの非常にシンプルな舞台セットでした。ダニエルはベージュのスーツに赤いネクタイ、ヒューは青いシャツに紺のジャケットの衣装。二人は舞台上の椅子に座ったり、舞台に立ちながら、観客の方を向いて1時間半ひたすら話し続けます。
シカゴ警官のジョイ(ダニエル)とデニー(ヒュー)は幼馴染の親友で仕事上のパートナー。ジョイは独身、対してデニーは妻と子供がいる家族思いのお父さんです。ある雨の降る日に起きた事件を巡って二人の友情や家族愛、そして仕事への信念が試されます。
始めは二人とも衣装を上から下まで身につけています。前半デニーがジャケットを脱ぐと腕まくりをした両手が現れます。力強い自信に満ちた語り口で家族や仕事への思いを述べます。後半、ジョイがスーツの上着を脱ぎ、腕まくりをします。そして慎重に友情と仕事への考え方を述べます。その傍らでデニーが捲り上げた袖を下ろします。この時点で立場が逆転するのです。
ダニエルもヒューもアメリカのシカゴ訛りの英語で話していました。二人の台詞はどんなに早口になってもしみじみとした語りかけでも2階席の最後列まではっきりと聞こえてきました。
映画のスクリーンを通した演技よりも生身の人間が直接目の前で見せてくれる演技のほうが迫力がありました。
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