最初に、前回スケールとリズムの実技テストを受けていなかった2人の学生の補習テストをしました。トランペットの彼は顔を真っ赤にしつつ一生懸命音を出してなんとかCからGまで上がったのに、Aに行かずに降りてきます。先生が2度ほど注意すると、やっとスケールの意味を理解しました。そして、またCから始めてGに到達して、次はAと上がろとしたけれっど、残念ながら力尽きて「ぷわーん」と頼りない音しか出せませんでした。本人も悔しかったらしく、赤い顔のまま先生に「次のスケールテストは1回でパスする」と約束していました。先生はトランペットの彼だけでなく、楽団全員に基礎練習の大切さを説き、「毎日ロングトーンを欠かさないように」と言いました。
もう一人のトロンボーンはずれていたポジションを直されると一度で実技テストをパスできました。
次は指揮の見方の復習です。構えから止めまで指揮に注目するように教則本の12番から30番までの曲を使って練習しました。先生は集中力のない学生には名前を呼んで注目させたり、集中できる学生を見本に演奏させたりしました。教則本の15番からはP(ピアノ:やや弱く)やF(フォルテ:やや強く)の音の強弱の練習も取り入れられました。先生は25番くらいで拍子のテンポを変えても指揮についてくるように試みましたが、これはまだ初級楽団員には早かったようで、先生のテンポについていけたのは私を含めて3にんだけでした。
そしていきなり曲「A Touch Of Baroque」に突入です。クラリネット、サックスで始まり、4小節でフルート、8小節で金管が入ります。
先生は木管が演奏する8小節の間に金管に曲の雰囲気と速さをつかませました。2度ほど木管の8小節を演奏して、「さあ、金管です」と先生が合図を送りました。
ところが入ってきたのは14人の金管のうち5人だけ。それも5人のうち2人が10小節目で脱落です。先生が「何で入らないの?」と尋ねると、1人が「どこで入ったらいいのか分からなかった」(小節を数えていなかった)と応えました。先生は「合図を見た人、手を挙げて」と聞いて、手を挙げたのが11人でした。(残りの3人は指揮を見ていなかった)
リズムをとること、数えること、それに他の何よりも指揮をみることを教えて合奏を再開しました。
この曲はフォルテで始まって、中間部でピアノで優しく語り、また主旋律をフォルテに戻って終わります。先生の指揮棒も中間部で落とし気味で振られました。それを見落としてフォルテで吹き続けた金管を取り挙げて、先生は全員に譜面台の高さと位置の調整を教えました。このように先生は丁寧に体験を通して楽器の演奏と合奏を教えてくれます。
頑張ってついていった甲斐があり曲が通して演奏されました。先生が指揮棒を止めて下ろしたときは私はやっと終わったとホッとしました。この安心感と充実感は楽団全員にあり、隣の人を目を見合わせて微笑みあったり、暫くぼんやりしたりした人がいました。
先生は私の隣のMさんと、前期の授業では初回の合奏が1つの授業で終わらなかったと話していました。私たちが1回の授業で1曲通せて良かったです。
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