2009-01-03

愛を読むひと

この映画は3つのパートに分かれています。
15歳のマイクが路面電車の車掌のハナ(ケイト・ウィンスレット)と知り合い愛を育むところ。
法学生となったマイクがナチスの戦犯として法廷で裁かれるハナを見守るところ。
大人のマイクが服役するハナに朗読テープを送るようになるところ。
どのパートでも朗読が行われます。

この物語はマイクからの1視点でハナが描かれているためにハナの感情の起伏や思いが掴めず、第三者の私たちにはじれったい、形にならないもやもやした気分が付きまといます。
マイクの前から急に姿を消したこと。
過剰の罪を被せられて裁かれても真実を隠したこと。
服役中に回顧したこと。
マイクと観客の私たちはハナの気持ちや思いを知りたいけれど解らない。それは全てハナが文字の読み書きができないことに起因しています。
マイクが文字の読み書きができない人の生活が想像できないためにハナの気持ちも想像ができません。マイクがハナに感じた目に見えない壁は文字の壁でした。朗読によって取り払われたと思われた心の壁はマイクとハナの間に存在し続けるのです。

名作の朗読を聴いて笑ったり涙したりするハナは本来感受性の豊かな人なのです。ハナの気持ちを知りたくて原作を読みたくなりました。

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