2008-07-23

アメリカ人の交渉術

collegeで先生がおっしゃった(敬語を使うこの時点で日本人は引いています)ことに不服があるとき、学生はあからさまにブーイングをします。そして、学生は先生と交渉に交渉に入るのです。その一コマ。

定期テストで先生が作文課題を発表すると学生から一斉にブーイング。
3人の学生が代表して、先生とタ イトルの交渉に入りました。

学生A「先生、もう一つ題を増やしてく れたら、1行おきに6枚以上書けるよ」前日に与えられた題は5つ、そのうちの2題を先生が選択して、当日発表しました。その題を増やしてチャンスを広げて欲しい、その代わり、期待された以上の結果を出しますよ、と学生が主張しているのです。ギブアンドテイクで一見よさそうなんですが、結果は、先生「この講座授業では、タイプだと4枚以上、手書きだと5枚以上だから、6枚は当然です。交渉になりません。」却下でした。初回授業で配られたシラバスに明記されていることは絶対なのです。それに不服がある人は、その週で授業変更をしてますから、この主張は今更言うべきことではないのでしょう。

学生B「先生、この小説(授業で読んだチャンドラーの「さらば愛しき女よ」)にはヒーローなんていないよ。他のタイトルにしようよ。」試験前日に講習授業の復習をして、更に先生が作文課題を配布した際に、そのアウトラインの作り方の見本まで示しているのですから、Bの学生の主張は通らないでしょうと予測していました。結果は、先生「じゃあ、なぜヒーローが登場しないのかをあなたのヒーロー観を交えてか書きなさい。」却下でした。クラスでアウトラインを作った折に、先生が「ヒーローって聞いて、どんな人かイメージできますか」とヒントまで与えてくれました。そのヒーロー観を基本議題として展開していくようにと、テストでもヒントを与えてくれているのです。

学生C「先生、ハードボイルドと恋愛なんて本のどこにも書いてないよ」この学生は授業を聞いていませんでしたと、自ら墓穴を掘りました。結果は、先生「あなたは、授業を聞いていたかしら?小説を読んだかしら?たくさんのヒントを与えたはずよ。」却下です。

交渉の際に最も受け入れられやすいのがギブアンドテイク。相手の要求を満たしつつ、自分の要求を受け入れてもらう術です。反対に最も却下されやすいのが、自分の責務を果たさずに、目の前の要求をただ嫌だと首を振る。これをすると相手に要求を却下されるだけでなく、子供っぽいやつだと見下され、責任を果たせないとみなされ、信用を失ってしまいます。
交渉するときは相手に見下されないように、そして信用を保てるように気をつけたいです。

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