2008-11-23

007/慰めの報酬

全編通じてボンドが痛い!アクションでいっぱいです。
ダニエル・クレイグのボンドになってから、身体を使った演技があちこちで見られます。壁に激突、ロープで宙吊り、階段飛ばし降りとスパイなんだかスポーツマンなんだか分からないほど。スタントか本人かと観ていたら圧倒的に本人が出ています。
ダニエルが格闘アクションで頑張れば、カーチェイスは前菜で、ボートのシーチェイスは魚料理、飛行機のエアチェイスのメインディッシュと海空陸の所を選ばないフルコースアクションはアクション好きにはたまらないでしょう。最初から最後まで息の詰まるアクションの連続で呼吸を忘れるほどです。

イギリス人ボンドには服の着こなしに隙をみせる着崩しや甘さを作る外しはありません。黒のポロシャツには白のパンツを合わせた軽さのないリゾートウェア。真っ黒レンズに金縁のサングラスが更に重みを加えます。オペラにはオーダーメードの黒のスーツに白いカラーと蝶ネクタイで正装します。袖口のカフスボタンで隙を見せません。
激しい闘争で白いシャツが血で汚れても、黒いスーツが埃と汚れでドロドロになっても、背筋を伸ばして何事もなかったかのような涼しい顔で歩く潔さが良いです。

男性には厳ついボンドも女性にはプレイボーイとジェントルマンが発揮されます。
イギリスから迎えに来たボンドガール2にはたった一言と袖口のカフスボタンを一つ外すだけで落としベッドに直行させて、危険な目にあわせたボンドガール1がちょっと寒さで震えるとさっとジャケットを脱いで彼女に羽織らせる。男性への態度は冷たく硬いのに女性への態度の一つ一つがスマートで甘い、その落差がほろっとさせます。

ダニエル・ボンドの次の作品が楽しみです。

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